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 この患者さんの遺伝子解析を辻省次先生(新潟大学神経内科教授)らがさ

れ、21番目の染色体に突然変異がみられ、遺伝性のアルツハイマー病であることが確認されました。この報告が「THE LANCET」に取り上げられたわけです。その後、鉄剤療法は国立精神・神経センターにいた朝田隆先生(現・筑波大学医学部精神科神経科教授)が追試され、効果が認められました。また鉄は知能発達に欠かせないものです。4歳の精神発達遅滞のあるてんかん患者に鉄剤療法を行ってかなりの改善をみています。アルツハイマー病は知能の崩壊が特徴ですが鉄欠乏も1つの鍵になっていると考えられます。
最近アルツハイマー病の前兆としてMCI(Mild Cognitive Impairment)、瞬間的な認知欠損がいわれています。またアルツハイマー病の栄養学的な研究も行われるようになりました。社会関係を含めた環境とのかかわりも重要と考えられます。
今後はアルツハイマー病に関する共同研究などを企画し、研究を継続する一方、最近増えている若年性うつ病の臨床研究にも取り組みたいと考えています。若年者のうつ病は睡眠リズムの崩れも関係していると思われます。またその中に将来のアルツハイマー病予備軍がいるのではないかと考えています。

参考資料:THE LANCET 1992;340:p671

 


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